【本の感想】「シャルロットの憂鬱」「シャルロットのアルバイト」(近藤史恵著)

とても賢い元警察犬シャルロットをご紹介します。

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30代の浩輔・真澄夫婦が、引退した警察犬シャルロット(女の子、ジャーマンシェパード)を飼うお話。

賢いシャルロットが、シャルロット自身のお友達や夫婦と関わる人たちの小さな事件をやさしく解決してくれます。

シャルロットは、いくつか小さな事件に遭遇します。それは、本来なら、人間の都合で起こってしまったものなので、飼い犬は何も悪くないのですが、運悪く巻き込まれてしまったり誤解されてしまう犬たちもいます。

飼われている立場の犬としては、「こうしてほしい」「これはイヤ」とは言えません。なんといっても、言葉でのコミュニケーションがとれません。でも、だからといって、犬たちの気持ちや、何をしてほしいと思っているのかが、全く伝わらないのかというと、そんなことはありません。犬は、常に、全身で表現しているのです。だから、飼い主は、責任を持って、犬たちの気持ちを汲み取ってあげないといけないのです。

シャルロットと夫妻の話から、そんなことが伝わってきました。

この本では、シャルロットがとても表情豊かに描かれています。夫妻に甘えたり、おねだりしたり、やきもち焼いてみたり、時には心配してみたり。お友達と一緒に朗らかに遊んだり、がまんしたり。

犬が表情が豊かなのは分かりますが、猫も同じです。目で訴えたり、声のトーンを変えてみたりして、自分の意見を主張します。そんな、言葉を超えたコミュニケーションを楽しむのが、ペットと暮らす醍醐味なのだと思います。

それにしても。シャルロットは、とってもお利口さんです。わが家には、すでに3匹の成猫と2匹の預かり子猫がいますが、「犬もいいなあ」と思ってしまいました。

一緒に散歩に行く。ドッグランで駆け回る。シャルロットが生き生きと描かれていて、すぐそばで、走り回っているような気分にさせてくれます。

これからのシャルロットの活躍も楽しみです。