先入観や固定観念に気づく

三男(中2)が、「今日の授業は先入観の話だったよ」と言ったので、「どんな偏見について話したの?」と聞きました。

「国のイメージが先入観につながっている、とか」

「なるほどねえ…」

それを聞いて、今から30年ほど前、私がイギリスに行ったとき、現地の人が「日本の家は、紙と木でできているんだろう?」と真顔で聞かれたことを思い出しました。

はじめ、ジョークで言っているのかと思っていたのですが「屋内で火を使うのは危ない」などと言われ、本気で言っていたことに気づき、驚いた覚えがあります。

こういう国のイメージというのは、ある程度一般的に認知されていると、それが本当に正しいと思われがちで、実はそのイメージこそが先入観だと、気づきにくいこともあります。

あとは、先入観とは少し違うかもしれませんが、「この場合はこうすべき」という固定観念も、気づきにくいです。

特に、自分が「常識」だと思っていることは、自分以外の人にも、自分と同じように考えるように促してしまうことがあります。

例えば、私は、時間にルーズな人が苦手です。遅刻をするとか、また、講演などの催しで、自分の持ち時間を過ぎても終わらないなども、いやだなあ、と思います。

そういう時に、つい、時間を守るようにきつめの言い方をしてしまうこともあります。だって、時間を守ることが「常識」なのだから。

ですが、世の中には、自分の時間管理をしっかりしたうえで、時間にルーズな人に寛容な人もいます。他人を自分のポリシーに合わせさせようとするのではなく、自分から柔軟に対応するのです。

柔軟な対応のおかげで、だれもイヤな思いをせずに円満にことを運べることもあります。

先入観から話が少しそれてしまいましたが、自分が持っている先入観や固定観念にまずは気づくこと、そして、自分の考え方以外の考え方を認めること。これらができたら、自分だけでなく、周りの人も、イヤな思いをせずにいろいろなことができるようになるのかもしれません。