【本の感想】「子どものスマホ問題はルール決めで解決します」(石田勝紀著)

今、子どものスマホ問題に悩まない親はいないのではないかと思います。私も当然、いろいろと気になっていたところ、良い本を見つけた!と思って読んでみました。

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目から鱗なことがいろいろと書かれてあり、多くの気づきがありました。

結論から言うと、子どものスマホ問題というのは、子どもの問題ではなく、親の態度や意識の問題である、と私は感じました。

以下、ざっくりとした内容です。

  1. 子どもにスマホを持たせる時には、必ず、はじめにルールを決める

  2. ルールは、親子で一緒に決める

  3. ルールを決めるときに、ペナルティーも決めておく

  4. ルールを実行してみてうまくいかない場合は、ルールを変更したりペナルティーをゆるめたりする

 

1.子どもにスマホを持たせる時には、必ず、はじめにルールを決める

スマホと持つときって、親が唯一、優位に立てるときなんです。子どもは持ちたいから、なんでも「守る」「できる」と言いますよ。話し合いはなごやかに進む。持った後にルールを決めようとすると、今度は子どもの方が優位になっちゃう。規制するのは大変です。

おっしゃるとおりです。そして、たいていの親は、ルール決めてる(つもりになっている)と思います。

平日は1時間までで、休日は3時間までね、とか。

宿題が終わってからじゃないと、スマホ使っちゃだめだよ、とか。

ですが、いつの間にか、なしくずし的に、守られなくなってしまうんです。そんなルールあったっけ?という感じで。

じゃあ、どんなルールだったらよかったの?

 

2.ルールは、親子で一緒に決める

ルール決めに失敗するのは親が上から目線だから

親は満足だけど子どもが納得していないルールは、絶対に守られません。

どんなルールにするのがいいのか、最初にそれをいうのは親ではなく子どもです。

親が決めたことをルールにすると、うまくいかないときに親の責任にしますよ。

確かに。覚えがあります。うまくいかないときに親のせいは、ありますねえ。

本当に子どもにルール作りを任せていいの?好き勝手なことを言うんじゃない?子どものことは、親がいろいろ決めて道筋を見せてあげた方が良いのでは?などと、思ってしまいます。

石田先生は、子どもの意見に対して、親が「なんでそう思ったの?」と聞き、子どもの答えを受け止めたうえで、「なるほどね。他の意見と比べてどう思う?」などと議論してほしい、と言っています。

なるほど。親が子どもに道筋をつけてあげるというのは、こういうことなのですね。耳が痛いです。

親は一方的に「こうしなさい!」と言いがちだけれど、ルール作りは子どもにとってすごくいい教育のチャンスだと思うんです。ルール決めのやりとりは、ものすごく脳を鍛えます。親を納得させるためにどんな根拠を示せばいいのか、どういう理屈で攻めればいいのか、交渉の仕方を学びます。親は力ずくで勝とうとするより、言い負かされるぐらいでちょうどいいんです。議論ができるとしたら、子どもは相当成長しているということですよ。

ああ、ホントに。耳が痛いです。力ずくで勝とうとしていました。言い負かされることを喜ぶ余裕なんてありませんでした。確かに、おっしゃる通りです。次回からは喜べるように努力します。

 

3.ルールを決めるときに、ペナルティーも決めておく

これも、わりとどの家でもやっていることなのでは?と思いましたが、このペナルティーの内容や決め方も、私が思っていたものとは違いました。

ルールを破ったときのペナルティーも決めておくんです。そしてペナルティーの内容も、まず子どもに決めさせます。ルール決めの場では、親はどちらかというと聞き役なんです。子どもの意見に対して「どうしてそうしたいの?」と質問する。何かいうたびに「なぜ?」「根拠は?」と聞く。そうすると本人が自分で気づくこともあるし、自分の話を聞いてくれる人だから親を信頼します。命令する人のことは尊敬しないし信頼もしません。

石田先生、おっしゃるとおりです。ごめんなさい。私は勘違いしていました。

ルール決めもペナルティー決めも同じで、子ども主体で決めさせることが大事。この内容よりも、「ルールやペナルティーを子ども主体で決めるんだよ」という過程が大切なのだということが分かりました。

このプロセスを経て、子どもは、自分が信頼されているという自信や、スマホを利用することに対する責任を感じるようになるから、親はそんな子どものことを信頼しましょうね、ということなのでしょう。

 

4.ルールを実行してみて、うまくいかない場合は、ルールを変更したりペナルティーをゆるめたりする

ルールって変更していいの?ペナルティーゆるめたら意味ないのでは?などと思ってしまいましたが…

ペナルティーを実行しない=親のほうが約束を破っている

理不尽に重いペナルティーは逆効果になる可能性が高い

ルールやペナルティーをゆるめる、という発想を持つ

「親の方が約束を破っている」は、身に覚えがあり反省しました。

そもそも、ルールを守らせるというのは、結構エネルギーが要ります。時間に関するルールは、親も子も、始めた時間を把握している必要があるけれども、同じ部屋にいたとしても、いつ始めたのか分からないときもあるし、使っている本人も始めた時間を意識していなかったりするときもあります。結局何時間使っているの?ということはしょっちゅうあります。そうすると、ルールもペナルティーも実行できなくなってしまいます。

石田先生は、スマホを取り上げるなどの重いペナルティーを課すと、逃げ道を探したり、隠れて使おうとしたりするので、逆効果だともおっしゃっていました。確かに。

そして、「ルールペナルティーをゆるめる」ですが、適切に使えているな、と感じたら、使用時間を増やしても良い、などルールをゆるめても良い、とおっしゃっています。

ええ~、いいの??と思ってしまいましたが、石田先生は「(子どもが)信頼されているんだ!と誇らしく思いますよ。そして、その信頼を裏切っちゃいけないとも思う。」とおっしゃっています。ここでも「信頼」です。

 

この本では、スマホ問題をとりあげていますが、どんなことについても、親子間でいかに信頼関係を結べるか、が重要なのだと、分かりました。

しかし。まあ、耳の痛い話ばかりです。私は、自分は子どもたちのことを信頼していて、子どもたちの自主性を尊重して、スマホやゲームなどをさせていると思っていました。

でも、ごめんなさい。違っていました。だいたいの時間は決まっているのに、「自主性に任せているから」子どもが時間を過ぎても止めないのを見て見ぬふりしていました。だって、注意してもやめないし、逆切れされるとめんどくさいんです。

使用時間がちょっと長いんじゃないの?と注意して、反論されると、カーっとなってヒートアップして、「あなたは保護者の監視下で暮らしているのだから、親の言うことを聞きなさいっっ!」とキレていました。いやあ~、恥ずかしい。

今からでも間に合うかな。自分から変わらなければ。自分にできることから始めてみようと思います。